では、地デジになると全国1億人ものテレビ人口には具体的にどういったメリットがあるのでしょうか。 すでにマスメディアの中心となっているテレビは、今後どのように変わっていくのでしょうか。
双方向性が市場を活気付ける
インターネットが普及したおかげで、現在の景気はやや上向きであると言われます。
インターネットの強みは「オンデマンド」「インタラクティブ」「ニッチ」であると言われます。
いつでも、どこでも情報を手に入れることが出来る。これが「オンデマンド」です。インターネットは24時間365日、絶えず情報を発信しているため、テレビのように「見逃した!」ということもなく、かつ自分の必要なタイミングで情報を得ることができます。そして「インタラクティブ」。ただ情報を得るだけではなく、そこからユーザーがアクションを起こせます。例えば、TVCMで「これ欲しいなあ」と思っても、ほとんどの場合が実際には店舗に行かなくてはなりません。インターネットは、「その時」に買えるわけです。番組や商品についての批評もでき、そしてユーザー同士もコミュニケーションが取れるというのが最大のメリットです。まさに繋がる(オンライン)の概念を最大限活用しているといえます。そして「ニッチ」。いわゆる少数派ですが、確実にニーズのあるユーザーに対して、啓蒙することができます。CMも含めるいわゆる「広告」は、売れ筋商品やニーズの高いであろう商品に当てるのがセオリーとされてきましたが、インターネットでは、ユーザーが自ら「検索する」というシステムが主流であることから、一部少数派が欲するような商品でも、確実に宣伝することが出来ます。回線速度やインフラの向上によってより一層、そうした少数派や逃していた客層をキャッチできたことで消費が促進し、インターネットが景気向上に一役担っていると言えるのかもしれません。すべてはそれらの双方向性を持ったコンテンツ内容による功績でしょう。そして地デジの大きな特徴として、双方向性が挙げられています。テレビ至上初の双方向コンテンツで、市場を活気付けるようなメディアに成長してくれることを、大いに期待しましょう。
テレビが見られなくなる?
常に、新しい技術が導入される時期・・・つまり移行期間においては、数々の不安要素がありました。今は第二のマスメディアであるインターネットも、普及当初は回線の不足や速度の問題、ハードウェアの諸問題など現在の双方向性からは想像も付かなような足踏みがあったことは記憶に新しいと思います。
また国策により、いまのアナログテレビでは5年後には放送を見られなくなります。市販の地デジチューナーを接続すれば見られますが、チューナーを買うゆとりがない世帯は、それさえも厳しくなります。つまり、カラーテレビが普及した1960年代初頭に起きたような現象が起きないとも限りません。
そうなると、せっかくの地デジも誰のための、何のためのクオリティなのか。せっかくの双方向性も誰に向けられるものなのか。ユーザーは疑問を抱くことでしょう。国・家電メーカー・放送局には、これらの課題を乗り越えなくてはならない義務があるのです。完全移行が済む頃には、一般家庭で過度の負担無くデジタル放送が観られるようになっていることを期待しましょう。だとしたら、テレビの長い寿命を考えて今から地デジ対応のテレビにするかという事も、ひとつの手段かもしれません。
情報化社会といわれる中、今最も大事なのが個人情報保護法などに代表されるプライバシーの問題であったり、人々の「知る権利」にどこまで呼応するかという問題も重要になってきます。
つまり、地デジというハード面に、放送内容・報道の信憑性というソフト面がどれだけ付いていけるか。そこが、今後の大きな課題になってきます。
ユーザーが報道を変える日が来る
地デジは、テレビを従来の「観る」ものから「使う」ものへと変化させます。
リモコン操作でボタンを押すとニュース、お天気情報、番組情報などの日々のくらしに役立つ最新情報を取得することができます。また、双方向対応番組では、視聴者が情報番組やクイズ番組などに参加できる”視聴者参加型”の番組作りも実現可能です。そこで、従来は一方通行であった報道番組の内容も、これに乗じて革新されることを期待する見方が非常に有力です。
どうしても、報道には「主観」「偏見」というものが付いて回ります。原稿ひとつ書くにしても人間が行っているのですから、それは当然といえば当然であり、だから報道が報道として成り立っているのですが、これからはその内容にも、視聴者が積極的に提言をしていく時代が来ます。局が報道し、視聴者・ユーザーが呼応する。そしてユーザーの「知りたい」部分について局は責任を持って追求する。そんなシステムが実現したときには今まで利権や軋轢によって、実現されていなかった本来、国民の「知る権利」に基づいた報道が出来る日が来るかもしれません。
地域密着の良さ
地デジでは、地域に密着した放送、その地域にお住まいの視聴者のニーズに合わせた番組が提供されます。従来は、報道・情報番組というものは大局的で、例えばお年寄りや郊外に住む方にとっては、有益とならない情報が全国ネットで一様に提供されてきましたが、多チャンネルの特性を活かして、福祉や暮らしに役立つ情報が提供されるような番組になります。また、データ放送で文字情報や音声放送を受信・視聴するサービスも多く予定されています。都市部と郊外の情報格差が少なくなれば、より良い地域活動・社会福祉活動が実現します。また若年層や都心部の人々が国内外の現状を知ることで、国際貢献・国家社会の確立にも一翼を担うでしょう。